みすじゃん。

読んだ本のあらすじをつらつらと。 since 2007/09/06

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いっぺんさん / 朱川湊人

いっぺんさん (いっぺんさん)いっぺんさん (いっぺんさん)
(2007/08/17)
朱川 湊人

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『花まんま』で直木賞を受賞し、ノスタルジックホラーの旗手として多くのファンを魅了する朱川湊人氏が、ほぼ一年ぶりに刊行する待望の短編集。いっぺんしか願いを叶えない神様を探しに友人と山に向った少年は神様を見つけることができるのか、そして、その後友人に起きた悲しい出来事に対してとった少年の行動とは……。感動の作品「いっぺんさん」はじめ、鳥のおみくじの手伝いをする少年と鳥使いの老人、ヤマガラのチュンスケとの交流を描く「小さなふしぎ」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」など、ノスタルジーと恐怖が融和した朱川ワールド八編です。


久々に朱川作品を。最近古典文学やら海外のよくわからない小説ばかり読んでいたので、こういう普通の日本の小説は読みやすいなぁ〜、と実感。読みにくいから海外小説は駄目だ、って言ってるわけではないんですけど。

上の本紹介でも紹介されている表題作『いっぺんさん』。いっぺんさんという一度しか願いをかなえない神様、そして家庭の不和にも負けず、早く白バイ隊員になりたいという友人。その二つをしっかり踏まえたうえでうまく絡み合わせる手腕はなかなかどうして素晴らしいです。

『いっぺんさん』を皮切りにして八編のノスタルジックホラーが語られていきます。感動モノばかりというわけではなく、ちょっと不気味な正統派ホラーもチラホラ。

しかし僕の好みが変わってきたのかイマイチ気分が乗り切らず。やはり最初に読んだ「花まんま」に較べると一段落ちる出来だと思います。

そういや21日に同じくノスタルジックホラーな恒川光太郎さんの最新作が発売されますね。楽しみです。

勝手に評価:(2.8点) / (5.0点満点中)
関連タグ:朱川湊人
関連記事:「花まんま / 朱川湊人」 「都市伝説セピア / 朱川湊人」 「白い部屋で月の歌を / 朱川湊人」 「さよならの空 / 朱川湊人」 「かたみ歌 / 朱川湊人」

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| 国内作家 朱川湊人 | 17:39 | comments:6 | trackbacks:4 | TOP↑

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博物館の裏庭で / ケイト・アトキンソン

博物館の裏庭で (Shinchosha CREST BOOKS)博物館の裏庭で (Shinchosha CREST BOOKS)
(2008/08)
ケイト・アトキンソン

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大家を押しのけ、権威あるウィットブレッド賞を受賞。懐かしく、滑稽で、豊穣な、ある家族の年代記。曾祖母の冒険、祖母の恋、母の夢。そして二度の世界大戦。四世代にわたる家族の歴史は、さながら無数の物語が詰まった博物館。その陰には、語られざる秘密があった――。一人ひとりの小さな物語を横糸に壮大な歴史を編み上げる、新しい「偉大なる英国小説」。イギリス各紙誌が絶賛した、恐るべき処女長篇。

表紙がいいです。文庫本に挟まってた新刊案内見た瞬間に買おうと思いました。と思ったら偶然図書館の新刊紹介スペースで見つけ、早速借りて読むことに。

この物語は、ルビー・レノックスという一人の女性を中心として、四代にわたる一族の歴史を描いた小説です。ルビーがその母バンティに受胎したその瞬間から物語は始まります。先に述べたように、ルビーを中心とし、物語は進んでいくのですが、個々の章に各一つずつあるキーワードに関する補注という形で過去のエピソードが挟まれ、次第に一族の全貌が明らかになっていきます。

表紙のどこか牧歌的な雰囲気とは違い物語の内容はかなりシビアなもの。

たとえば、ルビーの母親バンティは夫、家事、更には子供にすら疲れていて、現実と理想のギャップに打ちのめされている。その夫のジョージも気難しく好色。ルビーはそんな両親の元で成長していく。そして、その姉妹たちも過酷な運命を背負わされることに…。

更に、補注で語られる過去でも二度の大戦をはさみ、戦争に駆り出された男たちの悲惨な末路、残された女性の悲しみが語られ、なかなか悲劇的な運命ばかりを背負わされた一族だという印象が残ります。

しかし、この作者の書き方(あるいは訳者の訳し方)にはどこかユーモアな雰囲気が内包されていて、悲劇的な話ながらも、不思議と悲しい気持ちにはならない物語。

「百年の孤独」に近いものがありながらも、あれのような重苦しさはなく、どんどん先が気になってついつい読み進んでしまいました。あと「ベルカ、吠えないのか?」でも思いましたけど、こういう年代記を装った物語には膨大な人物(犬)が登場するので家系図は必須なのですが、それを見ちゃうと激しくネタバレしちゃうんですよね(笑) もっと僕に記憶力があればいいんですが。

ああ〜、面白かった。といってもどこが面白いとははっきりとはいえないんですが。何か漠然とした面白さ。こういう小説いいですね〜。

「過去というのは、人生で棄ててきたものなのよ」
「何、言ってるのさ。過去っていうのは、引きずって歩くものなのよ」


勝手に評価:(4.0点) / (5.0点満点中)
関連タグ:ケイト・アトキンソン

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| 海外作家 カ行 | 22:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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死の家の記録 / ドストエフスキー

死の家の記録 (新潮文庫)死の家の記録 (新潮文庫)
(1973/07)
ドストエフスキー工藤 精一郎

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思想犯として逮捕され、死刑を宣告されながら刑の執行直前に恩赦によりシベリア流刑に処せられた著者の、四年間にわたる貴重な獄中の体験と見聞の記録。地獄さながらの獄内の生活、凄惨目を覆う苔刑、野獣的状態に陥った犯罪者の心理などを、深く鋭い観察と正確な描写によって芸術的に再現して、苦悩をテーマとする芸術家の成熟を示し、ドストエフスキーの名を世界的にした作品。


ドストエフスキーを知って以来、ずっと間違えてドフトエスキーと覚えていたことに気付き、そういや友達が2,3ヶ月前に読んでて「あ!ドフトエスキーやん!面白いん?」とか聞いてたことを思い出し、死にそうな恥ずかしさと、突っ込まないでくれた友達の優しさを感じました。ドストエフスキー…こっちが正しいんだけど、やっぱり違和感があるな…。

それはさておき、スパンをほとんど空けずに読んだこの「死の家の記録」。タイトルだけ聞くとホラーっぽい作品ですが、中身はそうではなくて著者が実際に収監されていたシベリアの流刑地での生活を小説風にアレンジした作品です。シベリアのある町で死んでいった男が残した手帳に書かれた手記という体裁。

正に個人手記といった感じで、この手記の作者が感じたことを様々な囚人を例に出してつらつらと書き連ねているといった感じ。そういった具合なので、書いている途中で気が変わって話題が脱線していく、ということもしばしばあるし、後々説明するといった具合にわりと支離滅裂に話は進んでいきます。

そういった文章なので、正直言って読みづらいという印象を受けましたが、それでもドストエフスキーの描写力でぐんぐん読ませる。実際に入った者にしかわからなさそうな細かい事柄や、囚人たちの奇妙な心理などが盛り沢山。たとえば、囚人たちはノルマが決まった仕事だと何故だか異常にやる気を見せたり、クリスマスに過大に期待を寄せ、結局その終わりに何も起こらなかったと失望する、とか、なかなか読んでいて面白いものでした。

物語というよりノンフィクションという感じ。19世紀に書かれたものながら、訳のおかげかかなり読みやすいです。さて、ウォームアップも終わったしそろそろ「カラマーゾフ」に手をつけようかな。

勝手に評価:(3.2点) / (5.0点満点中)
関連タグ:ドストエフスキー
関連記事:「地下室の手記 / ドストエフスキー」

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| 海外作家 タ行 | 23:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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エンデュミオンと叡智の書 / マシュー・スケルトン

エンデュミオンと叡智の書 (新潮文庫 ス 24-1)エンデュミオンと叡智の書 (新潮文庫 ス 24-1)
(2008/08/28)
マシュー・スケルトン

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何も書かれていない空白の本? オックスフォードの図書館で少年ブレークは不思議な古書を発見する。やがて浮かび上がる謎かけの詩、迫り来る追跡者…。一方、15世紀のドイツでは、印刷機の発明家グーテンベルクの下で修行する少年エンデュミオンが旅に出た。全世界を支配できるその本を守るため―。

設定といい展開といい、何から何までありがち。正に”平凡な少年が活躍するジュブナイル小説”のテンプレート通りに書いてみました!という感じ…。

読んでて何も感じなかったので特に書くこともなく。というか最近ファンタジーやミステリに食指が動かないというのも、この小説の酷評にもつながってるのかな…。

また読書傾向が変わってきたみたいです。

勝手に評価:(1.2点) / (5.0点満点中)
関連タグ:マシュー・スケルトン

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| 海外作家 マ行 | 13:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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地下室の手記 / ドストエフスキー

地下室の手記 (新潮文庫)地下室の手記 (新潮文庫)
(1969/12)
ドストエフスキー江川 卓

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前々から読んでみたかったドストエフスキーに初挑戦。とりあえずハードルの高そうな厚い本はやめておいて、薄めのこの本から読んでみることにしました。

なんせドフトエスキーは19世紀の作家さんで、しかもロシア文学というほとんど未知のジャンルだったので、さぞ読みづらいのだろうと予想していたのですが、そんなことは全くなく、むしろガンガン読み進めたことに驚き!

内容のほうはというと、世間からの干渉から逃れるために地下室にこもった男が綴る私小説といったところ。冒頭から『歯痛はある種の快楽に違いない』みたいなことを延々と書いて、そこから何故彼がひきこもるに至ったか?という彼の過去について書かれていきます。

単純に言ってしまえばこの男の妄想と、世間への言い訳だけが詰め込まれたなんともゴタゴタした小説。しかしこの男のキャラクターと、読ませるパワーがすさまじい。ホント自己弁護しかしない主人公には呆れを通り越して痛快さすら感じさせます。読んでてすごく面白かった(笑) ちょっと違うかもしれませんが、森見さんの「太陽の塔」に通ずるところがある気がします。

今まで敬遠していましたが、ドストエフスキーがこんなに面白いとは思いもしませんでした。現在「死の家の記録」を読書中です。

余談ですが、今までずっとドストエフスキーのことをドフトエスキーと読んでいたことに記事書いてる途中に気づきました…orz

勝手に評価:(3.6点) / (5.0点満点中)
関連タグ:ドストエフスキー

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| 海外作家 タ行 | 13:32 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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